地球の教室:体験学習プログラム
水辺への道。
「ハッチョウトンボ、知ってますよね」。「もちろんですよ!」と電話のむこう
で明るい声がはずんだ。こたえたのは、アサザプロジェクトの飯島さんだ。おせっ
かい塾のひとつの大きな柱を、「都会のこどもたちを水辺につれていって、自然の
中で環境教育をする。その、道づくりをしよう」と決めてから、僕は受け皿となっ
てもらう、水辺と密着した自然保護運動をさがしていたのだ。
はじめて電話したとき、こたえはわかっていたけど、そう聞いてみた。 小学校5
年生のときに、この体長2センチ5ミリほどの、それでいて一人前の姿をととのえた
奇跡のようなトンボをみつけて以来、はじめて同じことばで話せる人に出会った気
がした。もうそれだけで、うれしくなってしまった。
会ってみると、何万人もの仲間を率いる運動のリーダーとは思えない、笑顔のす
てきな、とても自然な人だった。しかし、自然へのひたむきな思いからくる強い信
念と、勉強に裏打ちされた理論的なアプローチをもっていることに、すぐ気づいた。
この人となら、一緒にやれる、夢を共有できる、と確信した。
そのあと、霞ヶ浦の水辺を歩きながら、僕たちは、アサザプロジェクトとおせっ
かい塾「ヤングネイチャーパトロール」のジョイント計画について話し合った。霞
ヶ浦を、東京のこどもたちの水辺にしよう。水辺から情報発信する「こどもネット
ワーク」のしくみを、まず霞ヶ浦につくろう、と。
アサザプロジェクトは、そのものが優れた環境教育プログラムとなっている。お
せっかい塾の重要な受け皿であると同時に、この運動を僕にできるやり方で応援し
ていこうと決めた。昨年の、夏の終わりのことだ。
アサザプロジェクトとのジョイントプログラム。
自然とじかにふれあう機会をなくしたこどもたちは、当然自然に無関心であり、適
切な環境教育がなされなければ、やがて環境意識が希薄な大人になるでしょう。カ
ブトムシや蝶は百貨店で買うものと思っているこどもには、生き物とのふれあいか
ら育まれる、イノチへの畏敬感や思いやりも生まれません。ナイーブな感性のある
うちに、自然のふところで遊び、学ぶ体験をしておかなければなりません。
自然再生のこころみに参加することは、環境問題を直接認識すると同時に、自然の
大切さ、奉仕することの誇りを学び、さらには、体力の向上もはかる有効な機会と
なります。そして、問題を把握し、解決の方法を考え、実践し、結果をまたフィー
ドバックするという、生きた「総合的な学習」の機会でもあります。
おせっかい塾では、ひとつの受け皿としてアサザプロジェクトと連帯するとともに
水辺の汚れまで視野に入れた環境教育プログラムを実践していきます。