斎藤さんは、中学一年生からボランティア
施設や一人暮らしの老人宅訪問などをしている。
三年生の夏休みに老人ホームを訪問したとき、
自分の心を受け入れてくれない人もいることを知り、
壁を作ってしまい、話しかけられないでいる自分を発見する。
そうして、まずは自分が「心を開きたい」と思われる人に
ならなくてはならないと気づく・・・

戸沢村立角川中学校 三年 斎藤さんの作文

心を開ける人になるために

 私は中学校一年生の頃から総合の時間にボランティアに入っている。今までに、祭のちらし配り・知的障害者施設の訪問・一人暮らしの老人宅訪問などのボランティアに取り組んできた。

 そもそもボランティアとは、「社会事業などに自分から進んで技能や労力を無報酬で役立てる人々」をいうそうだ。私も自分なりにボランティアとは何かを考えてみたりもしてみたけれど、ボランティアとは「人の役に立ちたい」「いろいろな人との交流を深めたい」と考えている人々の行動だと思う。そして、その行動によって、人の力になったり、人に喜んでもらえた時に、ボランティアをしたことになると思う。

 私は今年の夏休みに老人ホームを訪問した。老人ホームを選んだ理由は、家族と一緒に暮らしていないおじいちゃん・おばあちゃんに私たちが訪問することで元気になってもらいたい。そして、老人ホームでの職員の人の仕事を手伝いたいと思ったからだ。

 一日目は一般のおじいちゃん・おばあちゃんと接することが多かった。私がピアノを弾いたら喜んで曲に合わせて歌ってくれたり、自分からたくさん話しかけてくれる人もいて、私も話しかけやすかった。

「小学生や中学生の子がたまに訪問してくれることが一番楽しくて嬉しいよ。」

と、言ってくれる人もいて本当に嬉しかった。また、車イスのそうじや窓ふきなど、きれいにする仕事も出来たので力になれたと思う。このように、一日目は楽しくボランティアをすることができた。しかし、二日目は自分の情けなさを感じる悲しい一日になった。

 二日目は痴呆のおじいちゃん・おばあちゃんと一緒にいることが多かった。痴呆症の人には、私達を受け入れてくれない人もいる。それは行く前から分かっていたので、私は、「自分から心を開いて仲良くなってもらおう。」と、考えていた。しかし、実際話そうと思ってもなかなか話しかけられないでいる自分がいた。話しかけようと思っても、自分の中で勇気が出しきれなくてストップがかかってしまう。今まで、いろいろな人と交流してきたけれど、今だに自分で壁を作ってしまうんだな。と思い、そう思う自分にショックを受けた。そしてその後、そうじをする時も、自分から仕事を見つけて取りかかるのではなく、職員の人に仕事を出されるまで、おじいちゃん・おばあちゃんと話をするわけでもなく、ただ立っているだけの時間も多かった。職員の人も、私達のために仕事を探してくれたりしたけれど、だんだん手伝うことも少なくなり、職員の人に気を遣わせてしまった。ボランティアをしに来たのに、自分からは何も出来ずに、そして職員の人のことも困らせてしまった。ボランティア活動を三年間もやってきたのに、今回は本当にボランティアが出来なかったと思う。

 人とのふれあいは、自分から心を開くことから始まると私は常に考えている。だから、今まで初対面 の人と関わる場面がある時は、できるだけ自分から話しかけるようにしてきた。それには、ものすごく勇気がいる。けれど、勇気を出して話しかけ、相手の人と仲良くなれた時は、ものすごく大きな喜びになって返ってくる。ボランティアをしていて良かったと思う時も、おたがいに心を開けた時だ。初めて会った人に完全に心を開くことは、誰にとっても難しいことだけれど、少しずつでいいから話をしていくことで、自分とは違う人の心を知り、自分にとって新しい発見があったりして、心を開くということは、本当に大切なことなんだと感じる様になった。

 「心を開く」ということは、そもそも「自分の気持ちを知って欲しい」と思うことだと私は思う。友達や家族には、自分の考えていることをたくさん話すし、私が心を開いた時、相手の人も心を開いて私に話をしてくれる。それは、普段から接しているからというだけでなく、相手の人が話しかけやすい雰囲気を作ってくれているからだと思う。いつも笑っている人や優しさのある人には、「自分のことを理解してもらえそうだな。」と思ったりする。私も、人との交流を深めていきたい、心を開ける様になりたい、と考えるのならば、まずは自分が「心を開きたい」と思われる人にならなくてはならないと思う。日常生活の中で、誰に対しても同じ態度で接しているかと聞かれたら、正直、「接している」とは答えられない。最近は、みんなの気持ちを知ろうとすることも自分にはなくなった気がする。

 これからは、もっと人の心を考えられる人になりたい。そのためにも、たくさんのボランティア活動に参加して、たくさんの人と出会い、様々な人の心を知りたいと思う気持ちを強めていきたい。最初から、完璧に心を開くことは難しいだろうけれど、徐々に自分から心を開いていける人になっていきたいと思う。そうすれば、相手の人も私に心を開いてくれる様になるはずだ。もっともっと、人との交流を積極的に行っていこう。まずは、今日から、身近な人の心を知っていこうと思う。そして、これからどんどん、心を開ける関係の人を増やしていけたら良いと、私は思う。

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